天平の甍(ピンチヒッター)

今朝は一面の厚い雲。予報では午後には晴れてくるそうですが、この厚い雲の様子では、
見えだすのは夕方でしょうか。

昨日は朝はダメでしたが、昼間は見えていました。
2007-11-06-152644 2007-11-06-15:26:44

ということで、今日のピンチヒッターは、唐招提寺に徒歩5分、というところにお住まいの奈良のヨーコさん。
先日も「唐招提寺の萩」を送っていただきました。 → こちら
11/2〜4だけ公開という貴重な写真です。(11/3に送っていただきました)

・・・・・・

平成12年から始まった唐招提寺金堂の修理事業も木工事の大半は完成し、屋根葺き工事も
8月に完成して、11月2日〜4日まで、公開しています。

仮設の階段を上がって、屋根の高さまで上がると、目の高さで屋根全体を見ることが出来ます。
建設用の素屋根が取り外されたら、絶対に見ることの出来ない部分まで、克明に見ることが出来ました。
開門時刻9時に行ったのですが、次から次にと人が訪れていました。
遠く関東から来た人もいました。徒歩5分の私は、なんと贅沢なことでしょう。

大棟西端に据えられていた鴟尾(しび)
約1,200年前の天平時代、金堂創建時のもので、まさしく天平の甍です。
1,200年の風雪にさらされ、相当痛んでいます。
IMG_0481大棟東端の鴟尾
これは創建から約500年後、鎌倉時代の作です。
天平時代のものが痛んで、作り替えられたと推定されています。
IMG_0480

今回の大修理では天平時代に倣って、両方とも新しく作られました。
役目を終えた鴟尾が公開されています。

西南の隅棟の鬼瓦
IMG_0485

西南の隅木を支えている「隅鬼」
これも創建時のもので、このような場所にあるので、今しか見ることが出来ません。
鬼瓦同様、魔除けの意を込めているそうです。
四角にそれぞれ違った「隅鬼」があります。
IMG_0497

正面(南面)の屋根を右(東南)から。両端に新しい鴟尾が見えます。
IMG_0281p

東面(画面右)には創建当初からの瓦の中で、厳重な再利用テストに合格した瓦が集めて
葺かれているので、他の面とは少し色が違います。
IMG_0493

東面にはこんな丸瓦が乗っています。「唐招提律寺」の刻印が見えます。
IMG_0279

全部で4万枚の瓦が乗っているそうです。貴重なものを見せていただきました。

・・・・・・

すごいですね、1,200年ものあいだ、太陽と雨風にさらされて耐えてきた瓦。
木もすごい、四隅の隅鬼くんもがんばっていますね。

新装なった唐招提寺、また訪ねてみたいですね。
ヨーコさんありがとうございました。