ああ、我が祖国、日本 !!

これまでなんども「函南通信」ネタになってもらっているTKさんから感動的なメールと素晴らしい富士山の写真をいただきました。

先日1週間のタイ旅行(スカイプで知り合ったタイ人のお家にステイ)からお帰りになったばかりです。

TKさんはリタイアしてもう10年を過ぎている先輩ですが、精神も肉体もバリバリ、現役以上です。

了解を得ましたので、その一部をご紹介いたします。

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ああ、我が祖国、日本 !!

一昨日(3/27)の夕方、タイの片田舎から村人達と一緒に長距離バスにのりマレー半島を
北上、朝バンコックに着き、一休みの後、1時の深夜便で日本に帰りました。
爆睡していたらタイ人機長の訛りのある英語で富士山が見えるというアナウンスで飛び起きました。
機はちょうどヨットクルージングでよく行く伊豆半島沖合い、新島にさしかかっていました。
遥か雲海の中にくっきりと立ち上がっている富士が見えます。

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2011-03-28

300万の犠牲者を出した太平洋戦争の時もB29のパイロット達はこれを目標に東京を襲い、また今回のそれに次ぐ悲劇を富士は泰然として眺めていたのか、そして津波に流されながら助けを求める子供達の叫び声や人々の親や子を必死で探しまわる形相などが走馬灯のように思い浮かびました。

老後のひと時に仙台の妹宅を根城にしながら美しい三陸の海岸と素朴な村々を訪ね歩くことを計画していた僕の楽しみは、ガレキと化した町々を眺め、素朴な東北の人々の無念の死を見聞きしなければならない悪夢の中で打ち砕かれてしまい、実に悲しい思いに打ちひしがれています。

そんな悲劇にもかかわらず、泰然自若としてすっくと聳え立つ富士が”日本は必ず立ち上がれるぞ”というメッセージのように思えて感極まり、シャッターを切りながら落涙していました。

その”メッセージ”を皆さんと分ち合いたいと思い、写真を添付します。

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2011-03-28

ご承知のように基本的な日本の生産力は失われておらず、それをテコにして救援活動は出来るし、日本を立て直すことが十分出来ると確信しています。

しかしそれはこれまでと違った新しい文明であるべきです。
逆説的に聞こえるかもしれませんが、20世紀後半に発見された原子核エネルギーの利用については基礎的研究をもっと強化して推進しなければなりません。

核分裂と核融合のエネルギーを人類が完全に制御して利用できるようにしなければなりません。
今回の事故によってそういう基礎的研究開発が滞り、あるいは中断されることを僕は大変危惧しています。

問題の核心は、核エネルギーの基礎研究の必要性を軽視し、利潤目的の民間用に安易に商業化され、また殺人を目的とした軍事用に使われたことに最大の誤りと悲劇があったことを人類が認識することにあると考えます。

不幸にも我々日本国民はそういう誤使用の代表的な被害者になってしまいました。
それでも、いやそれだからこそ僕は、人類はこの核エネルギーを正しく使う方法を習得しなければならないと主張します。

その誤りを払拭し、核エネルギーのこれまでのような安易な利用を世界的に禁止し、代わりにその利用の基礎研究を国際的協力と分担で促進していくことこそが新しい文明の模索ではないでしょうか。

そういう「誤使用」と「正しい使い方を探求していくこと」とは全く別であることを我々は理解しなければなりません。