すっかり春の陽気で、今日は5名の仲間が集まりました。
今回は同じマリーナにいる4隻のヨットが一緒になって、真鶴港へ向けてセーリングです。
10時出航。
ラジオでWBC、キューバとの試合の様子を聞きながら、快調なセーリングです。
漁師さんがやっている店、ということで美味しい魚を期待して行きますが、総勢11名、小さな店なのですぐには入れず、1時間ほど待って貸切り状態で宴会。
冷たい生ビールと、美味しい肴。そしてわいわいがやがや、大勢で行くセーリングは、これが醍醐味です。
お通しのイカの塩辛が美味しくて、おかわりを注文します。
ボリュームたっぷりの煮魚定食(3人前)とても食べきれません。
2時間ほど楽しい宴を過ごして、帰りは向かい風です。
どんどん風が強くなります。こうなると写真を写している余裕はありません。
大きなうねりと強い向かい風で、何度も頭から波しぶきを被ります。
一緒に出航した僚船とも、いつの間にか離ればなれになり、遠く大きく傾いたり、波に持ち上げられたりしているのが見えます。
あまりにも風が強くなってきたので、すっかりセールを畳んでエンジンだけで走ります。
ちょうど中間あたりでしょうか、なんと突然マストが倒れて大事故発生です。
船体の長さが9m強、マストの長さは13m位。
四方からワイヤーを張ってマストを立てていますが、
マストを支えている前方のワイヤーが切れたか、外れたようで、根元からポッキリ折れたように後に倒れ込んできました。
幸い誰も怪我はなく、右舷にマストの先端を海面に引きずるようにして、航行できます。
倒れたマストが船体を傷つけないように、ロープをかけて必死で引っ張りながら走ります。
そうちに太陽も沈み、波を被った体がだんだん冷えて、手が凍えます。
連絡を受けたマリーナから、モーターボートで様子を見に来てくれましたが、どうすることも出来ません。
様子を見守りながら、いっしょに走ってくれました。
波と風に翻弄されながらも、苦闘4時間あまり、なんとか帰り着きました。
マリーナでは連絡を受けたスタッフが大勢待ち構えていて、熱いお茶を渡してくれます。
冷え切った体に何よりでした。
この後、温泉で体の芯まで暖めて、長い長い一日が終わりました。
ヨットに乗り始めて20年ほどになりますが、こんな大事故は初めての経験です。
怪我人が出なかったのが、何よりでした。
後から聞いた話ですが、1隻の僚船はセールが破れ、おまけにエンジンまで故障してしまい、自力航行ができなくなって、なんと海上保安庁に救援を求めたそうです。
当たり前のことですが、自然の前では人間なんてほんとにちっぽけなものです。
久しぶりに実感させられた一日でした。
・・・・・
出発前には、「真鶴でお花見」なんて思っていたのですが、飲んだり食べたりで、すっかり忘れていました。
これを「花よりダンゴ」というのですね。