9/23 荒海からの生還セーリング

いや〜ぁ、なかなか大変な航海でした。

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おいしい朝食をしっかり食べて、お弁当と氷、そして自転車をヨットに積み込みます。

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3人は港まで自転車で走って、ヨットの前で解体梱包ですが、風が強くて輪行袋が何度も飛ばされそうになりました。

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湾内にも白波が立っていて、ヨットは岸壁に強く押し付けられています。

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09:30 湾内でセールを上げて、慎重に出港です。

北東から東の風7〜8mでしょうか、それに大きなうねりが加わりますから、激しい揺れです。

それでもヨットの良い所は、自然の動きに合わせて動きますから、さほど怖さを感じません。

私の経験では、エンジンで走っている時のほうが、ずっと恐怖感があります。

それに上空が明るくて、青空も見えていたのも、怖さを感じさせない理由です。

風とうねりはずっと続いて、ようやく写真を写せた時には、もう川奈沖に来ていました。

野増港を出てから3時間40分、13:10 に無事母港に帰って来ました。

今年の秋のロングクルージングは、サイクリングもセーリングも、なかなかのハードなものでしたが、良き仲間と一緒に楽しく終えることが出来ました。

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先輩のTKさんが、帰りのセーリングの感想を書いて、参加できなかった仲間にメールしました。

写真よりもいっそうその雰囲気を良く伝えてくれる、と読んだ仲間から大好評です。

ということで、ご本人の了解を得て、以下に転載させていただきます。

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今回はトラブルでカメラを持参しなかったので印象をレポートします。

今回の大島セーリングでは、大島一周のサイクリングや往きの快適セーリングより、
帰りの荒海からの『生還セーリング』が僕にとってもっとも印象的でした。

朝起きたとき船長Tさんが、海が真っ白だとよ、と少し緊張気味で言っていたので
外に出ると風が強く、たしかにはるか海面が一面白波で真っ白、これを帰るのかよ、
と自分自身に緊張感が走りました。

朝大島港に民宿の車で着いたとき海は大荒れ、港内も風が吹いてアイオイ号は岩壁に押し付けられ、
大きいフェンダーはパンク状態、幸いなことに船体には何もダメージを受けていないことを確認。

自転車5台を積み込み、揺れる船内でBさんが船内に固定作業をしてくれました。

舫いの鎖を解き、離岸のときに向かい風で岩壁に叩きつけられないか不安でしたが、
T船長の巧みな操船でまずは無事離岸。

吹きすさぶ港内でメインセールをワンポンにしてあげることが出来、狭い入口から荒れ狂う海原へ無事出航。

MTさんも僕も緊張感でのどがカラカラ、ビールどころか水さえ飲む余裕なく、岸辺には
20号台風から来る高波のうねりが砕けて大きな水柱が立っています。

北東の強風なので8名全員完全武装で右舷のライフラインにしがみついて必死にバランスをとる。

1年前にT船長と二人で自転車での大島一周に来たことが頭をよぎりました。
あの時の帰路と同じです。

強風で2人ではメインセールを上げる余裕がなく、セルフタックジブを上げて帆走を試みたが
これだけでは上りは無理と判断、飛び跳ねるバウで必死にセールを降ろしたことが思い出されます。

その時は、ずっと機走で伊東までたどり着いたのですが、大波を乗り越えるたびに大きな衝撃が
繰り返されました。

当時T船長はもっと人数が居ればメインで帆走出来るけど二人では無理だと残念がっていました。
強風下を帆走で突っ走るには十分な『重し』が必要だとのこと。

しかし今回は8人の重しが居り、ワンポン帆走で6ノット以上の高速で大島は見る間に遠ざかり、
7人は頭から海水を浴びながら必死でライフラインにつかまり続け、T船長は出航から連続して操舵に専念。

絶え間ない大波を斜めから乗り越えて波乗り状態のスピードでした。
帆走では機走のような衝撃はなく、ヨット航法の優れた性能が実感出来できるキャプテンTの
見事な舵さばきでした。

急坂のノンストップサイクリングをやってのけ、船上でこけたサイクリングベテランのTTさん、
T船長のご親戚で現役社長のTNさん、紅一点で海水で長い髪が絡まってしまったTK嬢、
76才のヨットの大先輩のSさんの皆さんもよく頑張りました。

野増港から4時間弱程度でマリーナに到着し、民宿で用意した昼食弁当を味わいながら、
荒海からの生還を祝って乾杯でした。

MTさんが民宿に、マリーナに無事到着の電話をしたとき、民宿の親父さんが双眼鏡で
荒海に進んでいくアイオイを心配して眺めていたとのことです。

最後に民宿予約その他本航海のアレンジの労をとって頂いたMTさんに感謝します。

(KT記)

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